「『無敗の男』ヒット記念・中村喜四郎を語りつくす!」に参加、中村喜四郎は歴史を動かす存在だと確信した


2020年2月11日、週の真ん中にぽっかりとある祝日、その祝日の真っ昼間から新宿のNaked LOFTでトークイベント【『無敗の男』ヒット記念・中村喜四郎を語りつくす!】に参加しました。出演は『無敗の男』の著者常井健一さんと、畠山理仁さん。2人とも中村喜四郎さんを追いかけた、いや今も追いかけ続けているノンフィクションライターです。

無敗の男 中村喜四郎 全告白(文藝春秋)
ゼネコン汚職で逮捕されるが「完全黙秘」をつらぬき検事をして「男の中の男」と言わしめた伝説の男。ムショ帰り後も当選を続け初当選から現在まで14戦無敗!今も現役の「選挙の鬼」が25年の沈黙を破ってついにすべてを語った!

発売後わずか5日で重版が決定するなどのヒットを記念してトークライブ開催決定!!

出演して頂くのはこの本の著者でありノンフィクションライターの常井健一
ゲストとして「黙殺 報じられない“無頼系独立候補”たちの戦い」著者で中村喜四郎議員の選挙を10年以上取材している畠山理仁

中村喜四郎議員について、選挙の強さの秘密、野党共闘のキーマンであることなど語りつくします!

イベント終演後書籍をお持ち頂けた方にはサイン会も行います。

『無敗の男 中村喜四郎 全告白』、この本を知ったきっかけがなんだったのか定かではないけど、表紙を見て購入を即断した。いや、その場でデジタル書籍をダウンロードし読み始めた。中村喜四郎の事をほとんど知らない(ゼネコン汚職の人程度の知識)から、過去の出来事を振り返りながら読み進めたため結局3日近くかかって読了。感想は珍しくブックレビューとして、ブログに記した。

「無敗の男 中村喜四郎 全告白」常井 健一著

そして、読んだだけでは気が済まず、この日のイベントに参加することになりました。中村喜四郎という国士についてさらに知りたい、でも、本当に知りたかったのは中村喜四郎以上に常井さんの事だったりする。

イベントが始まってすぐにこの本が20万字だと知る。20万字、しかも単なるインタビューの書き起こしではなく、周辺の方のインタビュー、様々な背景や常井さんの考えを盛り込んだ上で20万字だ。書く対象も、それを出す媒体も全く比べられないけど、自分も取材やインタビューをし記事を書く人間として、純粋に常井さんのことが知りたかった。

そして、もう1人。 畠山理仁さん、ゲストという枠だったけど、たぶん、ゲストではない。私自身、様々な選挙でお手伝いをしているので、畠山さんのことはもちろん知っている。しかし、彼のことを決定的に知ることになったのはこの記事だった。

『無敗の男』中村喜四郎氏を日の当たる場所に連れ出した功績

そうか、畠山さんも中村喜四郎さんを追い続けていたのか、しかも尋常じゃない年月をかけて、、、。そんな二人の話を聞くためなら、行くしかない。スタート10分前くらいにNaked Loftに着くと、すでにほとんどの席が埋まっている。ステージ前方のサイドの席に座り、何も考えずにビールを頼んでしまう、、、祝日の真っ昼間だけど、この話は飲みながら聞かなきゃいけない気がした。

たぶん、語ることはこのイベントの枠では収まらない、前半の二人の話を聞いてすぐに分かった。中村喜四郎という人間から取材をする形で話を聞くのが如何に大変なのか、そして、常井さんがいかにこの本を出版するに至ることができたのか。話を聞いて思ったことは真似できないということ、決して真似をすることはできない。常井さんが中村喜四郎という存在を世に知らしめなければならない、そんな強い信念があったからこそだ。選挙無敗の男にその選挙戦略を聞いたところでほとんどの人間がまねることができないように、常井さんも誰もがまねることができない戦略で取材を重ねていた。

そして、それが如何に尋常ではないかは隣に座る畠山さんという存在が証明しているとも言える。彼が15年間やろうとしてできなかったこと、それをなしえた男とステージで並びマイクを握る。悔しい思いとリスペクトが合わさり、大いなる説得力を持った言葉が、常井さんそしてフロアにいる私たちに刺さってくる。

イベント後半、畠山さんが撮り貯めた、中村喜四郎に関する動画や写真が披露される。『無敗の男』に描かれたそのシーンが、現実として映し出される。多くの選挙戦を観ている自分でさえ、中村喜四郎が凄まじい選挙戦を戦っていることを改めて知る。この人間の当たり前は、どう考えても当たり前ではない。個人的に選挙戦をスタッフとして戦っていたからこそ、この人間の戦い方は選挙を超えている。そして、なぜあのような選挙ができるのかは、選挙運動期間外も常に自らの選挙区に足を運び支援者の話に耳を傾けているからこそだ。たぶん、この人は常に選挙のことを考えているのだろう、そのくらいでなければ『無敗の男』になることはできないと確信しました。

祝日のお昼から新宿まで足を運んだ価値はあった。中村喜四郎という国士と、それを追いかけ続けた常井・畠山という二人のノンフィクションライター、この3人のことを深く知ることができた3時間でした。

立憲民主党と国民民主党はそれぞれが別々の党として2020年の国会を迎えている。昨年末から今年に入って様々なメディアに頻繁に出ていた中村喜四郎の名前、その露出が少し落ち着いた気がする。

「10年がかりで政権を取り戻すスケジュールを示す」

中村喜四郎はじっくりと構えている。その考えを私も支持したい。なぜ、安倍政権が続いているのか、国民は本当に政治に無関心なのか。選挙権を持ってから一度も自民党に投票したことがない自分が至った結論は、やはり野党には託せないからだろう。

民主党が政権を取った時、大いなる期待はすぐに大いなる絶望に繋がった。現時点での野党に政権を託すことができるのか、正直、私もそれを肯定することはできない。もちろん、日本の歴史に残るであろう暗愚が総理大臣の座にいることは許せないが、やはり野党に託すことができないという考え、それは多くの民主党を支持した無党派層のみなさんが抱いていると想像に難くない。国民は政治に無関心などと無党派層に無責任な言葉を放つのなら、説得力のあるなにかを示さねばならない。そんな中で、中村喜四郎という存在は極めて重要だ。

じっくりと時間をかけて創り上げる、一つ一つの選挙をしっかりと戦い、着実にそのチカラを高めてゆく。今すぐにひっくり返しても、とてもじゃないが政権を担える組織を作ることはできない。「10年がかりで」とは、そんなことを見通しての発言だと感じている。

中村喜四郎という存在を知るためには、今後の日本の政治を展望するためには絶対に読むべき、それが『無敗の男 中村喜四郎 全告白』だ。そのことを再確認することができた、改めて本当に価値のあるイベントでした。ぜひ、一人でも多くの政治に関わる人間に読んでいただきたい、特に野党の政治家には読んでもらいたい一冊です。