遠い、遠すぎる、、、正直、失敗したと思った、とりあえず予定が空いていたから行くと答えてしまったお芝居の会場が北池袋だった。なんだよ、北池袋って、池袋から歩ける場所じゃねーじゃん、、、。
演劇の街・下北沢から、新宿・池袋という東京を代表する2大ターミナルを経由し、着いた駅は北池袋。初めて降りる駅、でも、降りた瞬間なにか親近感の沸く街、、、というのはウソだ、そんなのんきなことを考えている余裕は全く無い、開演まであと5分。どこだ、会場はどこなんだ、あ、いかにも演劇の制作っぽい人が立ってる。え? ここ? 普通の、ホントにごく普通の雑居ビルの2階に今回の会場となる「北池袋新生館シアター」はあった。
開演3分前、最前列に座る。ひゃー、久々だこの距離感は。パンフレットを開くまもなく、携帯電話の電源を落とす。すぐに客電が落ち、お芝居が始まった。
かわいいコンビニ店員飯田さん第4回公演 新作・再演短編集『どりょく』、見たのは「新作」と「再演」がある中の「新作」の回。3本の短編、その1本目に元々うちのスタッフだった佐藤蕗子(mizhen)が出ている。彼女がステージに出てきた瞬間、かなり違和感を感じた。綺麗だ美しすぎる、彼女が出るお芝居はこれまで何度か観ていたがその中でも抜群に美しい。あまり強く感情を出すことができない、様々な感情を押し殺し、気でお芝居をしないといけない役だった。宿っていた、何かが彼女の中に宿っていた。見た目の美しさと、魂がある意味乖離している。彼女のセリフが、キャラクターの本当の設定なのか、あざとさを計算した設定なのか、それとももしかしたら佐藤蕗子としてのモノなのか、訳がわからなくなる。
考えてもみれば、彼女はうちで働いていたときも、そんな振る舞いを続けていた。もしかしたら、彼女は私の会社で働いていたのではなく、働いていた設定だったのかもしれない、、、そんな思いがよぎる。恐ろしい、恐怖だ。全くもってして何を書いているのかわからない。こんなこと自分自身でしかわかることができない、いや、その自分自身でもわからない。でも、そんなことを考えてしまうような、そんなお芝居だった。
物語については公演中ということもあり細かい部分は書かないが、物語の展開は日常から始まり徐々に感情が高ぶり始め、途中からは狂気、そしてその狂気がある一線を越えた先にある何かを見せてくれるものだ。残念ながら3話とも、すんなりと理解できてしまった、そうだ俺もおよそ狂気じみた人生を送っている。しかし、その中でも2話目、アレはヤバイ。アレはヤバイだろ。1話目を見たときは、まだ、なんとかなった。佐藤蕗子がヤバイとことを置いておけば。しかし、2話目の狂気っぷりは完全にアカン! でもね、なんか理解できちゃうの、なんでかってー、さいきーんそのことをしんけーんにかんがえていたかーらっ! てか、キミら最高のタイミングでこのお芝居できてよかったなー、ファンキーだなぁー(おいおい)。2話目に出てきた小岩崎小恵さんはステキだ。というか、全表情を出し切っているのではないか、そのくらい表情と感情を出し切っているのかもしれない。そして、彼女が一線を越えそうで越えない、そのことがこの話の異常さを寄り際立たせていた。てか、カワイイ。このコ、カワイイ。あの、あっまい表情ブロマイドにして売ってください(変態)。
3話目、この日3度目となる狂気。痛い、痛すぎる、前半が痛すぎる。キャラクター設定の壮絶さ、そして、そのキャラクターがどのような生き方をして、今この瞬間を迎えているのか。わかる、わかるんだ、わかるぞ! うおおおおお! 的な、なんだろね、いくところまでいくともはや演技じゃないところで演技してるよね(?)。ある意味一番、狂気を越えきってしまったお話でした。そうだなー、1人触れておくとすれば、、、やっぱ大重わたるさんかな。凄いよね、体力使うよね、気力も使うよね、毎回どっかの血管が切れていそうで怖いです。千秋楽まで頑張ってください。そうそう、大重さんは今回の「新作」ではなく「再演」にも出てるからホントに大変だ、、、。
さてと、このお芝居を観劇した理由は2つ、1つは佐藤蕗子、そしてもう一つは劇団名の『かわいいコンビニ店員飯田さん』。劇団名を聞いただけではピンと来なかったけど、劇団Webの【かわいいコンビニ店員飯田さん とは】を読んでしまったからには、行かなくてはならない。そうか、彼女は飯田さんだったのか、、、。
そんな、かわいいコンビニ店員飯田さん第4回公演 新作・再演短編集『どりょく』は6月12日(日)まで。北池袋駅から徒歩1分かからない場所にある、北池袋新生館シアターにて。下北沢からクソ遠くて行きは憂鬱だったけど、見終わった後はお芝居のチカラを感じざるを得ない、本当に観る価値のあるお芝居でした! くっそー、負けてられるかぁあああああ!!(何と戦っている)
かわいいコンビニ店員飯田さん第4回公演
新作・再演短編集『どりょく』
なぜ働く?
なぜ愛す?
なぜ泣き、なぜ笑う?
なぜ生まれ、なぜ生きる?
なぜ?なぜ?なぜ?
生まれた落ちたとき、そこは地獄の釜の底でした。
さぁ、立って歩こう、自分の意志で。前へ後へ右へ左へ。
どちらに行っても、答えは一緒。
二足歩行の宿命背負い、イチ、ニ。イチ、ニ。と、優雅に歩く。
在り来りな地獄はもう飽きた。どうせ行くなら誇れる地獄へ身体を向けろ。
さぁ、声高らかに歩くのだ。イチ、ニ。イチ、ニ。と、歩くのだ。
【作・演出】
池内風
【出演】
大重わたる(夜ふかしの会)
圓谷健太
大貫隆行
小岩崎小恵(ポップンマッシュルームチキン野郎)
Q本かよ(劇団レトルト内閣)
工藤さや(カムヰヤッセン)
越寛生((劇)ヤリナゲ)
佐久間夏美(劇団ステア)
佐藤蕗子(mizhen)
星野哲也
堀りん(田上パル)
/
辻響平(かわいいコンビニ店員飯田さん)
池内風(かわいいコンビニ店員飯田さん)
阿部晃大
井手口裕樹
岡奈穂子(ぱぷりか)
百花亜希(DULL-COLORED POP)
【公演ナビゲーター】
鈴木タケシ(かわいいコンビニ店員飯田さん)
【日程】
A:新作 B:再演
6月2日(木)15:30~(A)19:30~(B)
6月3日(金)14:00~(A)19:30~(B)
6月4日(土)11:30~(B)15:30~(B)19:30~(A)
6月5日(日)11:30~(A)15:30~(A)19:30~(B)
6月6日(月)休演日
6月7日(火)19:30~(A)
6月8日(水)19:30~(B)
6月9日(木)14:00~(B)19:30~(A)
6月10日(金)14:00~(A)19:30~(B)
6月11日(土)15:30~(A)19:30~(B)
6月12日(日)13:00~(B)17:00~(A)
【チケット代】
前売り 3,500円
当日 3,800円
学生割り 3,000円(要学生証提示)
高校生以下 1,000円(要学生証提示)
4月1日よりチケット発売開始。
【劇場】
北池袋新生館シアター
東京都豊島区池袋本町1-37-8 中村ビル2F
東武東上線・北池袋駅(池袋から1駅)より30秒。
埼京線・板橋駅 西口より10分。
【あいさつ】
こんにちは。
かわいいコンビニ店員飯田さん主宰の池内風です。
去年で30才になり、改めて今後の人生について考えることが増えてきました。
このまま環境を変えない場合の人生を想像したら、猛烈な不安に襲われ、思わず以前付き合っていた彼女に連絡を取って精神の安定を図ってしまいした。
思わぬ女性の優しさに触れ、
「このまま僕以外の全人類が女性になったらいいのに。」
と、最近流行りの、「もしも世界が○○だったら」系の想像をしたところ、
「あっなんか怖い、その世界。怖い、怖い!」
と、すぐに現実に戻り、
「あぁ男は群れて数を揃えないと威厳を主張することもできないのだな。」
と、不必要なため息を1発放つ結果となりました。
さて話を元に戻すと、そもそも襲ったこの不安は単に、「このままだと生活が成り立たないのでは?」という問題に真っ向から向き合った結果生まれた不安と、
その際に飲んでいたコーヒーの過剰摂取によるものとだと推測されます。
じゃあそこからどうしようか?と考え、自分なりの答えを1つずつ整理して導き出すことが、ある意味凡人的な哲学の1つなのではないかな。と思います。
今回は、同じようにそれぞれ何らかの「負荷」を抱えながら悩んで生活をする人々の物語です。
この負荷が支えきれなくなって溢れる瞬間を丁寧に描き、凡人哲学の入口を広げていきたいと思います。
ここに現れる人物を通して、観ていただいたみなさんの心に何らかの変化が訪れるよう、一致団結して創作にあたりたいと思います。
少しでもご興味もって頂けたらぜひ劇場に足をお運びください。
かわいいコンビニ店員飯田さん 池内風
【問い合わせ】
kawaii.conveni.tenin@gmail.com
【公式サイト】
http://kawacon.jimdo.com/%E6%AC%A1%E5%9B%9E%E5%85%AC%E6%BC%94/