アジャイルメディア・ネットワーク(AMN)がリリースした「ファン キャスティング」がちょっと気になるのでご紹介します。
「ファン キャスティング」は、商品・サービスのファンの中でも特にフォロワー数が多い方を自社のインフルエンサーとして発掘・育成し、マーケティング運用をするソリューションです。
「ファン キャスティング」開発の背景として、プレスリリースで以下のように説明しています。
インフルエンサーマーケティングの需要は年々拡大しており、その市場規模予測も2020年の317億円に対し、2025年には723億円(2020年比約2.3倍)と、堅調な推移が見込まれています。(*1)
一般的なインフルエンサーマーケティング施策は、多くのフォロワーにリーチが見込める「インフルエンサー」や「有名タレント・芸能人」を起用し、商品や店舗・サービスなどをSNSなどでPRする形式で実施されていますが、案件の多様性もあり、実際にインフルエンサー本人がPRする全ての商品/サービスのファンであることは少ないようです。そのため、情報訴求やブランド認知という観点では大きな効果がありますが、情報の信頼性に関してはフォロワーやSNSユーザーも、より注意を払うようになっています。
AMNではこれまで250を超えるアンバサダーマーケティング(*2)を推進していく中で、商品/サービスを他者にお薦めする熱量の高いファン(アンバサダー)の中に極めてSNSフォロワー数の多い方が、どのブランドにも一定の割合で存在することが分かりました。
そこで今回、そのようなアンバサダーをインフルエンサーとしてパートナー化し、企業とのコミュニケーションを通して投稿の質を高め、多くのフォロワーへ届けていく新たなソリューションを提供することといたしました。
(*1)出典:サイバー・バズ/デジタルインファクト調べ https://digitalinfact.com/topics/release/3108
(*2)アンバサダーマーケティング:商品/ブランドを購入するだけでなく周囲に推奨し、他のユーザーへのサポートやブランドの擁護まで自発的に行うファンを「アンバサダー」と定義し、育成・活性化させるコミュニケーションを軸とした中長期マーケティング
https://agilemedia.jp/ambassador-program
ぶっちゃけインフルエンサーに商品とかサービスのアピールをお願いしても、イマイチなパターンが多い気がしています。AMNが指摘しているとおりで、やはり専門性の高い商品やサービスについては適したインフルエンサーがそもそも存在していないことも多いですからね。で、比較的適しているだろうインフルエンサーに依頼をするわけですが、そのフォロワーにとって価値がある商品やサービスでなければエンゲージメントは高まらず、結局意味がないんですよね、、、。
で、今回AMNが提供するサービスでは一般的なインフルエンサーではなく、自社の熱心なファン(アンバサダー)の中から影響力の高い人たちをパートナー化してネットマーケティングとして活かすためのソリューションを提供するわけです。ん、それって今までAMNが提供してきたアンバサダーマーケティングのソリューション「アンバサダープログラム」と何が違うの? と思いましたが、自社のアンバサダーの中からインフルエンサーを組織化する点で、より効果的なネットマーケティングを実現するわけですね。
「ファンキャスティング」は、アンバサダーマーケティングに長年向き合ってきたAMNだからこそ提供できるサービスとも言えるでしょう。単にフォロワー数などのみならず、ファンとしての熱量をどのように考えるのかなど興味深い点がありますが、自社の顧客としっかりと向き合える企業にとっては価値あるサービスだと感じています。
全ておまかせで月額55万円からは、ある意味リーズナブルだと思います。「ファンキャスティング」については運用が肝であり、その辺りの専門知識を持つ人的リソースを割くことを考えると、運営までお願いするほうがよさそうですね。
AMNについては、黎明期に個人ブロガーとして色々参加させていただいたこともありその動向が気になっていましたが、なかなか面白いサービスを投入してきたと考えています。ちょっと自分のビジネス領域で関わりがあるかと考えるとなさそうですが、フツーにファン側として関わる可能性はありそうです。